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専門薬剤師について

薬剤師のなかには、「専門薬剤師」と呼ばれる方々がいます。ここでは、「専門薬剤師」の詳細についてご紹介します。

専門薬剤師とは?

専門薬剤師とは、医療の専門領域や薬物治療に関する高度な知識・技能を有する薬剤師として、各領域の学会・協会から認定を受けた薬剤師のことを指します。

専門薬剤師は医師の負担を分散し安全で安心できる薬物療法を提供することを最大の目標とされており、専門薬剤師については2008年に開催された日本学術会議薬学委員会専門薬剤師分科会にて、専門薬剤師制度のあるべき姿等について学術的・客観的立場から検討が加えられ、「専門薬剤師の必要性と今後の発展-医療の質の向上を支えるために」という提言としてまとめられました。

認定薬剤師と専門薬剤師の違い

認定薬剤師よりも高度な専門性を保有しているのが専門薬剤師であり、専門薬剤師認定制度の多くは、申請要件として同領域における認定薬剤師資格を条件としています。

専門薬剤師が求められる背景

近年の医療の高度化、多様化は薬剤師の職能に大きな変化をもたらしています。

従来の薬剤師の業務の中心は薬剤部門の中で調剤業務に終始することでしたが、最近の医療現場では「チーム医療」というコンセプトの基に、調剤だけではなく、病棟や手術室、ICUなどに出向いて、医療チームの一員として医師や看護師と共に活動するようになってきました。

また、新しい医薬品の登場や医薬品に関わる医療事故の増加などから、薬物治療における薬剤師の役割は、治療効果だけではなく医療や患者の安全対策の面でも重要性を増してきています。

そして、最近の医療は疾病ごとに細分化され、医薬品の使用についても専門的なアプローチを要求されるようになってきました。

このような医療を取り巻く環境変化を背景として、医療の専門領域や薬物治療に関してより専門的で高度な知識・技能を持つ専門薬剤師の育成が重要になってきているのです。

専門薬剤師・高度専門薬剤師に求められる役割

専門薬剤師・高度専門薬剤師が行うべき業務について、日本学術会議薬学委員会の「専門薬剤師の必要性と今後の発展-医療の質の向上を支えるために」の提言の中では下記のように定められています。

専門薬剤師・高度専門薬剤師が行うべき業務

専門薬剤師は、チーム医療において医師の負担を分散し安全で安心できる薬物療法を提供するために、薬物療法に関して身に付けた高度な知識・技能を活用し、薬物療法の安全性と有効性の確保に責任をもって行動しなければならない。

具体的には、

  1. 当該専門領域のハイリスク医薬品の適正使用・ハイリスク患者の重点管理を推進する。
  2. 当該専門領域の医薬品の副作用・相互作用マネージメントのための臨床検査・薬物血中濃度測定のオーダーを医師に代わって行い、必要な対応を提案する。
  3. 副作用の重篤化回避や治療に難渋する患者への対応について、医師との協働のもと、処方の提案や処方設計を分担する。
  4. 高度な医療判断に備えて医薬品情報を収集し、評価・活用する。などを積極的に実践すべきである。

さらに、高度専門薬剤師においては、上記に加えて、当該専門領域の先端的な薬物療法についての医師との研究協力、専門薬剤師の指導・監督を行う必要がある。

専門薬剤師の種類

ここでは、専門薬剤師の種類についてご紹介します。

  • がん専門薬剤師
  • 感染制御専門薬剤師
  • 精神科専門薬剤師
  • 妊婦・授乳婦専門薬剤師
  • HIV感染症専門薬剤師
  • 認定専門指導者(専門薬剤師)
  • 栄養サポート(NST)専門薬剤師


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