認定実務実習指導薬剤師について
ここでは、認定実務実習指導薬剤師についてご紹介します。
ここでは、認定実務実習指導薬剤師についてご紹介します。
認定実務実習指導薬剤師制度とは、公益財団法人日本薬剤師研修センターが厚生労働省の補助事業として、2005年から実施している薬剤師の実務能力養成のための研修事業となります。2010年からは、同法人が独自事業として展開しています。
もともとは、厚生労働省は薬剤師研修事業において実務実習指導薬剤師の養成を重点課題として取り上げ、「各実習施設に1名以上の指導薬剤師を置く」ことを目標として、想定される実習施設の数から、平成20年までに約7,000人の実務実習指導薬剤師を養成する研修家事業を計画し、公益財団法人日本薬剤師研修センターに同事業の実施・運営を委託したのです。
認定実務実習指導薬剤師制度が設けられた背景としては、薬学部6年生の設置があります。
薬学部6年生の設置に伴い、より実務に即応できる薬剤師の育成を目的として、長期の薬局病院実務実習(2010年度スタート)が必修化されました。そのため、薬局や病院がその対応をする薬剤師を育成するために同制度が設けられたのです。
2010年度の最初の薬局病院実務実習に対応するために認定を受けた薬剤師の数は、薬局薬剤師で約7,000名、病院薬剤師で約3,500名となっています。
認定実務実習指導薬剤師としての認定を受けると、薬学生が勤務先に実習生としてやってきた際に、指導薬剤師として薬剤師の卵となる薬学生の指導にあたることになります。
もちろん、薬学生の指導については上記認定を受けていなくても行うことができますが、より体系立った指導方法をしっかりと学んでいる指導のプロとして薬学生と接することができるようになります。
認定実務実習指導薬剤師になるメリットとしては、下記が挙げられます。
認定実務実習指導薬剤師制度の自体の本来の目的は6年制薬剤師の実務スキル強化なのですが、実際にはこの認定を受けるためのワークショップ及び講習会を受けることで、指導薬剤師となる薬剤師本人自身のスキルアップにつながるという点がメリットとして挙げられます。薬学生に何かを教えるためには、自身が薬剤師として正しい知識とスキルを身に付けている必要があるため、結果として自分のためになったと考える薬剤師の方も多いようです。
また、認定研修薬剤師と同様に、職場によっては認定実務実習指導薬剤師に対して特別手当を支給していることもあるため、実利的なメリットを受けることもできます。
認定実務実習指導薬剤師としての認定を受けるためには、下記の要件を満たしている必要があります。
上記の3要件について、詳しく説明していきます。
実務実習指導薬剤師になるための基本的素養については、「基本的素養については研修応募の前後、研修受講の前後、及び認定の前後にかかわらず、常に有している必要がある。」と定められており、薬剤師としての基本的な知識・技術はもちろんのこと、医療に携わる専門職としての倫理観や、患者をはじめとした関係者から信頼されるに足る優れた人間性、他者と円滑に業務を進め、患者に適切なメディカル・ケアを実践することができるコミュニケーション能力などのことを指しています。
実務実習指導薬剤師なるための応募要件としては、下記のように定められています。
病院薬剤師の応募要件は以下となっております。
※1)原則として薬剤師としての実務経験が5年以上あることが応募要件となっていますが、下記のような実務経験を補う研鑽を積んでいる場合には、3年以上となります。
また、厚生労働省薬剤師実務研修を修了している場合は、その研修期間を実務経験に算入することができます。
薬局薬剤師の応募要件は以下となっております。
「認定実務実習指導薬剤師となるためには、認定実務実習指導薬剤師養成研修を受講しなければならない」とされています。具体的な研修内容としては、大きく下記の2つに分かれています。
ワークショップ形式の研修としては、
とされています。
講習会形式としては、病院薬剤師と薬局薬剤師のそれぞれにおいて、下記のプログラムが組まれています。
1つの項目に対する講習会の時間としては1時間~4時間程度となっており、講習会の指導教員は大学教員や薬剤師、行政関係者などが担当しています。
認定実務実習指導薬剤師になるためには、上記のように基本的な素養を持ち合わせたうえで応募要件を満たしており、かつ上記の認定要件を満たす研修プログラムを修了する必要があります。
詳細につきましては、公益財団法人日本薬剤師研修センターのホームページを参照下さい。