緩和薬物療法認定薬剤師について
ここでは、緩和薬物療法認定薬剤師についてご紹介します。
ここでは、緩和薬物療法認定薬剤師についてご紹介します。
緩和薬物療法認定薬剤師制度とは、緩和医療に関わる薬物療法に対する豊富な専門知識を技術を有することを客観的に認定する制度のことを指し、2010年度から一般社団法人日本緩和医療薬学会によって認定制度が運用・実施されています。
2010年から2012年までの3回の認定試験により、現在235名の薬剤師の方が緩和薬物療法認定薬剤師として認定されています。
日本における緩和医療の重要性は年々高まっており、特にがん治療において緩和ケアは治療の初期から並行して行う医療となっており、特に適切な薬物療法の重要性が増しています。
平成19年4月から施行された「がん対策基本法」では、基本的施策として「がんの予防及び早期発見の推進」、「がん医療の均てん化の促進 等」、「研究の推進等」の3点が挙げられており、この中で、薬剤師が緩和医療に関わる部分としては「がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療の早期 からの実施、居宅におけるがん患者に対するがん医療の提供のための連携協力体制の確保、医療従事者に対するがん患者の療養生活の質の向上に関する研修会の 機会の確保などを講じること。」と定められています。
現在、緩和医療は緩和ケア病棟や緩和ケアチームとして行われており、多くの場合は緩和ケアチームに薬剤師が加わり、薬物療法で活躍し、医療従事者からは高い評価を得ています。
しかしながら、緩和医療に対する薬剤師の専門性獲得に向けた本格的な取り組みはまだ日本では始まったばかりであり、まさにこれからという段階にあります。
がん対策基本法では、在宅における緩和ケアの充実を図るため、モルヒネなど医療用麻薬の適正な使用の拡大も盛り込まれており、必然的に緩和ケアにおいて保険薬局薬剤師が果たす役割は大きくなることが想定されており、更には病院薬剤師との連携も更に重要になってくると考えられています。
このような背景を基にして、平成19年に一般社団法人日本緩和医療薬学会が設立され、新たな認定薬剤師制度の一つとして、「緩和薬物療法認定薬剤師制度」が始まりました。
緩和薬物療法認定薬剤師とは、主にがん治療において用いられる緩和薬物療法に関する専門的な知識・技術を有していることを客観的に認定されている薬剤師のことを指します。
緩和薬物療法認定薬剤師は、主にがん治療において緩和ケアチームに一員として加わり、医師や看護師などの医療従事者と連携しながら薬物療法において適切な緩和ケアを提供していくのが役割となります。
緩和ケアチームにおける薬剤師の役割としては医薬品の服薬指導や医師・看護師への情報提供、治療支援などがあります。緩和ケアにおいては、モルヒネ製剤などの医療用麻薬や鎮痛補助薬を使用するため、緩和薬物療法における専門知識を有した薬剤師の存在は非常に重要なのです。
緩和ケアは通常ホスピス(ターミナルケア専用施設・病棟)で行うことが多いのですが、最近では在宅による緩和ケアも増えてきているため、保険薬局薬剤師による適切な処方・服薬指導・アドバイスの重要性も増してきています。
緩和薬物療法認定薬剤師になるためには、一般社団法人日本緩和医療薬学会により定められている、下記の認定申請要件を満たしている必要があります。
詳細につきましては、一般社団法人日本緩和医療薬学会のホームページを参照下さい。