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6年制薬剤師と転職市場

2006年4月より薬学部の6年制が導入され、薬剤師の国家試験の受験資格は6年制課程の卒業又は卒業見込みの学生だけに限定されることとなりました。

これにより2010年、2011年には新卒薬剤師が就職市場に登場しなかったため、薬剤師の中途採用市場では薬剤師の人員確保に向けた採用競争が激化するなど、転職市場にも様々な影響をもたらしました。

中には、「薬剤師が転職するなら2011年までが最後のチャンス」という意見すらあったほどです。

そして、ついに2012年4月、初めて6年制課程の卒業者が社会人となり、社会へと飛び立っていきました。

この6年制薬剤師の登場が、薬剤師の就職・転職市場にどのような影響をもたらすのか、そして薬剤師の就業環境はどのように変わっていくのか、不安に思われる方も多いのではないかと思います。

そこでここでは、6年制薬剤師と転職市場の今後について、推測も踏まえてご紹介していきます。

そもそも、6年制薬剤師とは?

6年制薬剤師

転職市場についての話に入る前に、まずは6年制薬剤師についての復習をしておきたいと思います。

従来の薬学部では4年制課程を卒業又は卒業見込みとなることで薬剤師国家試験の受験資格が得られたのですが、2006年4月から、薬学部には4年間を標準修業年限とする通常の「薬科学科」という大学課程と6年間を標準修業年限とする「薬学科」という二つの課程が設けられるようになりました。

6年制課程が新たに設けられた背景には、薬物療法の高度化・細分化やジェネリック医薬品の登場に伴う医薬品の種類増加などに伴い、薬剤師にはより高度な専門知識および臨床に係る実践的な能力が求められるようになったことが挙げられます。

そのため、6年制課程では、薬剤師職能教育を充実させるため長期の病院薬局実務実習などが導入されるなど、より実践的なカリキュラムが強化されています。

そして、新4年制課程と6年制課程のもっとも大きな違いは、薬剤師国家試験の受験資格は6年制課程を卒業または卒業見込の者に与えられ、新4年制課程の卒業または卒業見込の者には与えられない、ということでした。

これにより、4年制課程の卒業者が薬剤師国家試験の受験資格を得るためには長期実務実習と医療薬学教育の追加履修を受ける必要が新たに生まれ、実質、4年制課程の卒業者が薬剤師国家試験の受験資格を取得するのは非常に困難になったのです。

つまり、2006年以降の薬学部生は、大学卒業後、スムーズに薬剤師になるためには6年制課程を卒業する必要が出てきたということです。

また、6年制課程は通常の大学課程とは異なり、博士課程に直接入学できるなど修士相当の扱いを受けることになっています。

2010年、2011年は空前の薬剤師売り手市場となった

上記のような薬学部6年制への移行により、旧4年制の最後の卒業者は2009年3月卒業となり、以降は2012年3月までは既卒者などを除いて実質的には新卒薬剤師が登場しないという、まさに空白の期間となったのです。

実際、薬剤師国家試験の合格者数は2009年には11,301人だったのが、2010年に3,787人、2011年が1,455人と激減しました。

これにより、薬局やドラッグストアなどにとっては、薬剤師を採用したくても採用できない状況が続き、薬剤師は空前の特需売り手市場となったのです。特にドラッグストア各社は新規開局を見込んで薬剤師の強気採用を続けていました。

この空白期間は当然ながら薬剤師の中途採用市場にも影響し、中途採用においても薬剤師の採用ニーズは非常に高まりました。

そのため、「薬剤師が転職するなら2011年までがラストチャンス。それ以降は6年制薬剤師が出てくるので、需給バランスは急激に変わる」という言葉を謳い文句に、薬剤師転職支援会社各社も積極的な薬剤師獲得競争合戦を繰り広げていました。

2012年3月、初の6年制薬剤師が薬剤師国家試験を受験

そして2012年3月、ようやく6年制薬学部の第一期卒業生が薬剤師国家試験を受験し、4月からは社会人として薬剤師市場に飛び出してきました。

薬剤師の採用を行う薬局やドラッグストア、病院など業界全体が注目した、6年制課程の修了者も含めて実施された初の薬剤師国家試験の結果データは、下記となります。

2012年薬剤師国家試験における受験者全体の結果

  • 総出願者数:10,644人
  • 総受験者数:9,785人
  • 合格者数:8,641人
  • 合格率:88.31%

2012年薬剤師国家試験における受験者全体のうち、6年制課程修了者の結果

  • 総受験者数:8,583人
  • 合格者数:8,182人
  • 合格率:95.33%

過去の薬剤師国家試験における合格率は、受験者全体でみると75%~80%、新卒受験者に限定しても85%~90%前後というのが通例でしたので、合格率だけを見ると、初の6年制修了者の受験者の水準は比較的高かったということができます。

受験を控えさせられた薬学生も多数存在した?

ここで注目しておきたいのは、6年制課程修了者の受験者数「8,583人」という数字です。

文部科学省の調査によると、2006年度の6年制の定員は10,514人たったとのことです。 この数字を元にして、多くの業界関係者は、2012年度にはもう少し多くの6年制課程修了者が国家試験に合格するだろうと予測していました。

しかし実際の受験者数は8,583名と、過去の受験者数と比較してもそこまで多くなかったのです。

業界関係者の話によれば、これには薬学生を輩出する大学側の意向があったと言われています。

2003年に20年ぶりに薬学部が新設されて以来、全国各地の大学で薬学部が次々と新設され、その後の5年間で薬学部を設置している大学の数は1.5倍、薬学部の定員数は1.6倍にまで膨れ上がりました。

しかし、一方では薬学部の志願者数は、6年制への移行に伴う学費負担の増加や、今後の薬剤師需要に対する厳しい見通しなども影響して、定員増加に対応するどころか、減少傾向が続いています。

そのため、各大学では薬学部の定員割れが起こり始めており、採算の問題で合併を迫られる大学なども出てくるようになりました。薬学部の設置による学生増加を狙った大学の計算は大幅に狂ったのです。

このような背景があり、各大学は6年制薬学部の学生を少しでも多く確保するために、学生募集のアピール材料として初めての6年制修了者の「合格率をいかに高めるか」という点を重視し、合格可能性が低い学生に対しては進級の抑制や受験の受け控えをさせるという戦略を取りました。

その結果として、6年制課程修了者の受験者数は「8,583人」にとどまり、必然的に「95.33%」という高い合格率が実現したのです。

つまり、合格率の高さは、6年制課程プログラムの育成能力と必ずしも結びついているわけではなく、実際には国家試験を受験する母集団を大学側がある程度抑制したことが影響していると考えられており、むしろ現在では6年制薬学部の定員割れ状況が続き、入試が選抜機能を果たしづらくなっているため、今後の卒業生に対する「質」への懸念は高まっている状況が続いているのです。

6年制薬剤師の登場は、薬剤師の採用市場にどう影響していくか?

さて、ここまでの流れを踏まえた上で、ようやく本題に入りたいと思います。 この6年制薬剤師の登場は、薬剤師の就職・転職市場に今後どのように影響すると考えられるでしょうか。

ここでは、3つの観点をご紹介したいと思います。

2012年卒の6年制薬剤師はあまり影響なし

2012年3月に6年制課程を卒業した薬剤師は、既に2012年4月から社会人として働き始めています。

結果だけを見てみると、6年制薬剤師の第一期は、薬剤師の転職市場にはそこまで大きく影響を及ぼしませんでした。

主な要因としては、下記が挙げられます。

  • 新卒者は実務未経験であり、教育・指導体制が整っていない薬局などでは即戦力の中途採用を引き続き優先している
  • 薬剤師国家試験の合格者数も想定より少なかった

6年制薬剤師は、大学課程の中で実務実習を受けているとはいえども、社会人経験自体はありません。そのような新卒薬剤師を受け入れ、戦力化していく場合には、基本的には薬局側の指導体制や教育・研修体制が充実している必要があります。

しかしながら、過去に新卒薬剤師採用をあまり積極的に行ってきていない薬局ではそうした教育体制や、指導人員が不足しているため、結果としては引き続き即戦力となる中途の経験者を重視する傾向が強いのです。

そのため、調剤経験者にとっては、新卒薬剤師の存在はそこまで影響が大きくないと言えます。

また、6年制課程修了者の薬剤師国家試験の合格者数が、想定よりは多くなかったということも要因の一つとして挙げられます。

但し、たとえば企業やドラッグストアなどから調剤薬局へと転職を考えていた調剤未経験者にとっては、6年制の新卒薬剤師が同じ調剤未経験者として採用枠を争うことになるため、多少影響がありました。

また、今回大手の薬局チェーンなどでは新卒薬剤師の大量採用を実施したため、彼らがこれから調剤経験者として戦力化されていくことを考えると、今後は調剤未経験者の転職環境は厳しくなっていくことが予想されます。

2015年以降は、転職市場に変化が起こる可能性も

2015年以降に変化

6年制薬剤師の登場が転職市場に本格的に影響を及ぼし始めるのは、実は2015年頃だと推測されています。なぜなら、2015年には、薬局やドラッグストアで経験を積んだ6年制薬剤師が、更なるキャリアアップのために転職を考え始める年となるからです。

現在の6年制薬剤師が即戦力として活躍できるまで育ちはじめると、当然ながら彼らが転職市場に出てくることになり、ライバルとして採用枠を奪い合うことになります。

また、企業側も6年制薬剤師をしっかりと戦力化できるということが分かれば、採用コストが大きい中途市場を採用の中心に据えるのではなく、新卒採用+教育研修による戦力化、という方針に採用戦略を切り替えていく可能性があります。

現在では新卒の受け入れ体制が十分ではない企業も、この3年間で徐々に新卒の戦力化スキームを整えてくることが予想されますので、そうなってくると、薬剤師の中途採用市場はより環境が厳しくなることが予想されます。

実は、ここから3年間程度が転職のチャンス?

上記のように考えていくと、第一期6年制薬剤師が力をつけて転職市場に表れてくるタイミングでもあり、薬局をはじめとした薬剤師採用企業各社が新卒受け入れ体制を整え始めるまでのこの3年間ほどが、現在の薬剤師にとっては転職のチャンスと見ることもできます。

6年制薬剤師の影響もあり、まずは転職市場の動向を静観しようという方も多くいらっしゃるとは思いますが、現在では未だ薬剤師の売り手市場は続いていますので、今を機とみて動くというのも一つの選択肢かもしれません。

6年制薬剤師と転職市場の関係については、ぜひ薬剤師専門転職エージェントに相談してみてください。サイト上には公開できない裏事情なども多く入手することができるので、転職を考える上での参考になるはずです。



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