PMS(市販後調査)業務の仕事内容
ここでは、PMS(Post Marketing Surveillance:市販後調査)業務の仕事内容について詳しく説明しています。薬剤師資格をお持ちの方で、今後はPMS担当として働いていきたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
PMS(市販後調査)業務とは?
PMSとは「Post Marketing Surveillance」の略語であり、既に発売された医薬品の有効性や安全性を確認するための市販後調査を行う業務のことを指します。
PMSは発売された医薬品が、日常の診療時に使用された際の有効性や安全性を調査し、副作用に関する情報収集なども行います。
PMS(市販後調査)業務の仕事内容
PMS(市販後調査)業務の具体的な仕事内容について詳しく説明していきます。
PMSが行う調査内容としては、医薬品が市販された直後から半年間に渡り、その医薬品を扱う全ての医療機関を対象として実施する安全性情報の収集調査となる市販直後調査や、その医薬品が日常の診療で使用された際の有効性や安全性などに関する情報収集を行う使用成績調査、子供や高齢者の方、妊婦など、臨床試験時には確認ができていない患者属性の方々に対する有効性や安全性に関する情報収集を行う特別調査など、様々な調査があります。
また、PMSの仕事には、市販されている医薬品の有効性や安全性を確保・維持するための再審査制度や再評価制度、副作用・感染症報告制度といった制度が設けられており、それらの制度に沿った市販後調査も実施します。
PMSは、海外安全性情報(CIOMS)を扱うこともあるため、英語力が求められるケースが多くなっています。
PMS(市販後調査)業務のやりがいとは?
PMSは既に市販されている医薬品の安全性や有効性に関する情報収集を行うのがミッションです。医薬品は市販されると、臨床試験時の医療機関とは異なる条件下で使用されることが考えられ、それゆえに想定外の副作用や効果が出る可能性もあります。
既に市販されている以上は、迅速に安全性情報を収集し、報告していくことが必要不可欠となりますので、PMSの仕事には大変強い使命感と倫理観が求められます。
PMSに求められるこの社会的使命の大きさにやりがいを感じ、働いている薬剤師の方はたくさんいらっしゃいます。また、英語力がある方は、薬学に関する専門性に加えて語学力も活かした仕事ができる、という点でPMSという仕事に魅力を感じられる方も多くいらっしゃいます。
PMS(市販後調査)業務に薬剤師資格は活かせるか?
PMSの仕事で活躍するためには、薬剤に関する知識や臨床的知識は大前提となり、その上で特定の疾患領域に特化した専門知識を持っていることや語学力が必要とされます。
薬剤師資格さえ持っていれば誰でもできる仕事というわけではなく、PMS求人のほとんどはPMS業務の業務経験が求められますが、そもそもPMSの業務を遂行する上でベースとなる知識については、薬剤師としての専門知識が活きてくると言えます。