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薬剤師の需給バランスから考える

ここでは、今後の薬剤師の転職事情について、日本国内における薬剤師の需給バランスという観点から考えてみたいと思います。 就職・転職市場における薬剤師の売り手市場はいつまで続くのかということを気にしている方は多いのではないかと思います。 ぜひ下記を参考に現状を把握して下さい。

15年後に、約15万人の薬剤師過剰に陥る?

厚生労働省が発表している「第2回薬剤師需給の将来動向に関する検討会 薬剤師需給の予測について(粗い試算)」によれば、 今後の薬剤師の需給バランスは下記のように変化していくと考えられています。

薬剤師の需給予測

(※厚生労働省「第2回薬剤師需給の将来動向に関する検討会」を元に作成)
(※「需給差」=「総薬剤師(総数・平均)」―「需要(無職者含む)」として作成)

厚生労働省の試算によれば、薬剤師の需要自体は今後も少しずつ伸びては行くものの、大きな伸びは期待されていません。

しかしながら、薬剤師の供給数自体は年々需要を上回るペースで増加し続けていくことが予想されており、2028年には約148,000人の供給過剰状態に陥ると試算されています。

もちろん、上記試算はあくまで「粗い試算」であり、薬剤師需要は今後の社会環境変化によって想定以上に増加していくことも予想されますし、従来の薬局や病院といった職場だけではなく、今後は在宅医療への参画など薬剤師の活躍場として幅広い領域が想定されているため、これから必ずしも薬剤師過剰時代が訪れるというわけではありません。

また、薬剤師の需給に関しては地方格差が依然として大きく存在しており(詳しくは都道府県別に見る薬剤師の需給バランスを参照)、地域によっては慢性的な薬剤師不足が続いている現状があります。

しかしながら、薬剤師の需給を全体的な傾向として考えるのであれば、今後は需要に対して供給過剰が続いていくという傾向がより強化される可能性はかなり高いと言えます。

それに伴い、薬剤師の就職・転職事情はかつての売り手市場から買い手市場へと徐々に変化していくことも考えられます。

薬剤師として高い給与をもらい、今後も長く活躍し続けるには、他の薬剤師とは違う専門性を持ち、高いスキルと知識を身に就け、常に最新の医薬品事情に基づいた業務遂行ができるよう、薬剤師としての継続的な研鑽が求められるようになるのは間違いないでしょう。

薬剤師の今後の需給バランスを考える上で

薬剤師の今後の需給バランスを考える上では、薬剤師の供給側、需要側それぞれの今後の変化を正確に読み解いていく必要があります。

そのためのヒントとして、厚生労働省「第2回薬剤師需給の将来動向に関する検討会 薬剤師需給に関する主な意見」としてまとめられている、 供給側、需要側それぞれの今後の見通しについてご紹介したいと思います。

薬剤師の供給に関する意見

下記は、薬剤師の供給に関する有識者の主な意見となります。

  • 今後の供給については、大学数の推移および定員数の推移をみる限り、減少する傾向にはない
  • 一方で、現在の入試状況などを考えると、薬剤師の質を維持することが困難な状況にある
  • 入学者の質の低下を憂いでおり、入学時点の薬学生の質を6年間で高めるためには、実務実習前に薬学共用試験をきちんと行い、また、薬学教育の第三者評価を行っていく必要がある
  • 薬学共用試験OSCEは、現在の定員数では多すぎて、成り立たないという意見もある
  • 薬剤師の質の低下を招かないよう、供給側である大学側における真剣な協議が必要になる
  • 大学入試が選抜の意味をなさなくなってしまっているのであれば、質の低下は防ぎきれない
  • どうすれば志願者が増えるのか、全体の数が多すぎるのか、何らかの形で対応をとらなければならない
  • 薬科大学、薬学部に対して、高校生が魅力ある学部として感じていない。薬剤師という職業の魅力が失われているのだとすれば、それは問題

意見の中心となっているのは、主に薬剤師の「質の低下」に関する問題です。

2003年以降、多くの大学が薬学部を設置し、薬剤師の6年制も始まったことなどで薬学部の定員数及び入学者数は非常に増えています。

しかし、中には既に薬学部が定員割れを起こしてしまっている大学も出てきており、入学試験が本来持つべき選抜機能としての有効性が担保できるのか、という問題や、大学側が学生の確保を重視するがあまりに向けてハードルを下げてでも入学者数を増やそうとすることなどが、新たな問題として起こってきています。

薬学部の増設に伴い、薬剤師の供給量が増加すること自体よりも、その裏で薬剤師の質の低下が起こる可能性がある、というのが専らの懸念となっているようです。

薬剤師の供給「量」と、供給する「質」の双方を最適化していくことが、薬剤師の供給側である大学に課せられた今後の大きな課題となりそうです。

薬剤師の需要に関する意見

次に、薬剤師の需要に関する有識者の主な意見を見てみましょう。

  • 今後の需要については、これまで従事している業務種の動向のほか、6年制課程を修了した薬剤師を中心として、在宅医療への参画、受診勧奨、健康づくり(保健指導)などにいて、社会的ニーズの高まりや薬剤師自らが活躍の場を拡大することなどを通じて、増加する可能性もある
  • 薬局に従事する薬剤師数については、継続的に増加傾向にあるが、需要予測にあたっては、今後、処方箋枚数の伸びが鈍化していくことに配慮すべきである
  • 病院・診療所に従事する薬剤師数については、病院の統廃合などにより、減少する可能性があることが懸念されるが、リスクマネージメントの観点から、医療安全や各種専門領域において、臨床に強い薬剤師のニーズはある
  • また、地方では人材の確保が困難であり、雇用したくとも雇用できない事情があり、結果として都市部に比べて給与が高い傾向にあるなど、雇用はより難しい局面になっている
  • 製薬企業に従事する薬剤師数については、適材適所で配置されており、比較的規模の大きな製造販売業では、増加あるいは一定の雇用数を保っている
  • 医療情報担当者(MR)に占める薬剤師数は減少傾向にあるが、その背景にはMR職を希望(選択)する薬剤師が少ないためと思われ、また、研究職についても、企業合併などにより、新卒者の採用を控える傾向にあることの影響がある
  • 医薬品一般販売業に従事する薬剤師数については、一般用医薬品の販売制度の改正に基づく登録販売者制度の動向も考慮する必要がある
  • 医薬品卸売販売業に従事する薬剤師数については、各企業の統合により、各支店数が減少していることに伴い、必要とする管理薬剤師数も減少しているため、減少傾向にあり、今後も同様の傾向が続くと予想される
  • 行政に従事する薬剤師数については、人数としてはあまり変化がないと思われるが、衛生行政の中で食品や環境など、活躍する領域は出てくる

各業態によって今後の薬剤師需要を左右するトピックが整理してまとめられています。

上記の意見も参考にしながら、今後の薬剤師需要についてのポイントを業種別にまとめると、下記のようになります。

薬剤師需要全体について

在宅医療への参画、受診勧奨、健康づくりなど、薬剤師自らが活躍の場を広げていくことによる新たな需要創出の可能性は十分にあります。

調剤薬局の薬剤師需要について

医薬分業の進展に伴い薬局数と処方箋枚数が急激に増加し、それに伴い薬剤師需要も高まってきましたが、今後は処方箋枚数の増加が鈍化することに伴い、従来のような薬剤師需要が徐々に収まる可能性があります。

しかし、調剤薬局も在宅医療への進出など新たなビジネスモデルへの転換に伴い、専門性が高い薬剤師の新たなキャリア創出を行う可能性はあります。

病院の薬剤師需要について

経営難による病院の統廃合が進む中で、今後の薬剤師需要は減少する可能性があるが、専門領域においては引き続き「臨床に強い」薬剤師のニーズが続いていくことが予想されます。

特に地方においては薬剤師不足が顕著なので、引き続き強い需要が見込まれます。

製薬会社の薬剤師需要について

大手の製薬会社では事業拡大に伴う採用ニーズの増加が見込まれますが、全体としては競争激化に伴う企業合併や、研究開発の効率化に伴う外部委託などが進むことで需要が減少する可能性もああります。

ドラッグストアの薬剤師需要について

ドラッグストア業界の市場規模拡大に伴い今後も一定の需要増加が見込まれますが、競争激化により経営効率化路線に走る企業も増えてきており、薬剤師の代わりに登録販売者を活用する企業も増えてきており、今後の登録販売者制度の動向によっては需要減少の可能性もあります。

医薬品卸売販売業の薬剤師需要について

各企業の統廃合の進展による支店数の減少が進んでいるため、今後も需要減少の傾向が続く可能性が高いと考えられます。

行政機関の薬剤師需要について

需要の絶対数については今後も変化はないと思われるが、薬剤師の活躍領域は多岐に広がっていくことが想定されます。

まとめ

以上を踏まえると、薬剤師の就職・転職をめぐる状況は、今後の需給バランスを考慮すると決して楽観視できる状況ではありません。

しかし一方では、日本全体で考えてみれば、高齢化社会が進展し、医療やヘルスケアに対する社会的ニーズが高まり続けているという事実も確かに存在しています。

そのため、今後の薬剤師需要を増やしていくうえで鍵となるのは、薬剤師一人一人がそうした社会的ニーズの高まりと変化をしっかりと捉えて、いかに薬剤師としての活躍の場を広げていけるか、ということだと言えます。

つまり、今後は薬剤師自身が自身の専門性を追求し、医療や介護を取り巻くあらゆる問題解決に積極的に携わっていくことで、新たな需要を創出していく必要性がある、ということです。

薬剤師としての専門性は調剤や服薬指導といった従来の業務だけではなく、地域医療・プライマリケアの進展や在宅医療への参画、新たな医療システム・医療インフラの創造支援など、様々な場面で活かすことができるはずであり、実際に現在でも医療や介護の現場では、そうした従来の職域を超えた新たな役割の担い手としての薬剤師が求められるようになってきています。

薬剤師の方々は、市場動向に基づいた需給バランスに悲観視するのではなく、上記のような気持ちで積極的に業務の専門性追求や自身のスキルアップを目指していくことが、今後も薬剤師として長く活躍していけるかどうかの分かれ目となるでしょう。



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